ザクロの赤い花が散って、実がなる頃となりました。
子どもの頃、ザクロは“どこを割っても赤い実が出てくる不思議な果物”だと思いながら、ひとつぶひとつぶ食べたものです。
たいしておいしい果物ではなかったように記憶しています。
ザクロについては味のことより、鬼子母神の民話を聞き、「ザクロは人間の味がする」というのがとても怖かったです。
<鬼子母神の民話>
鬼子母神は仏教に登場する女の神様。
自分の子育ての体力をつけるため、人間の子どもをさらって食べていた。
それを憂えたお釈迦様が、鬼子母神の子どもを隠した。
悲観にくれる鬼子母神にお釈迦様は「自分の子どもがいなくなる悲しみがわかったなら、もう人間の子どもをさらって食べてはいけない。」
とさとし、代わりにザクロを食べるようにすすめた。
どうも「ザクロを食べるように」というのは日本で広まった俗説らしいですがね。
私は子ども心にこの話がとても怖くて、ザクロを食べなくなりました。
「人間の味」なんてねえ。
そして
月日ははらはらと流れ
大人になりました。
大人になって“ザクロジュース“なるものの存在を知りました。健康にもいいおいしいジュース、なんて本当だろうか?
飲んでみましたが、あまり美味しくありませんでした。(ごめんなさい🙇♀️)
しかしヨーロッパではザクロジュースがポピュラーだと聞いて、ちょっとその味に期待しました。
ローマの市場で”Melograno“という名前でザクロジュース売りが🥤いたので飲んでみました。
ザクロをいくつも搾り器で絞って、コップになみなみと300ccほど。
4ユーロ(560円くらい)でした。
味は甘みが少なく、エグミがあって、飲み残してしまいました。
ザクロは味わわずに花や実を愛でるのがいい、これが私の結論です。