sutekidaneの日記

愛知県の草花のスケッチと、虫や鳥など生き物のおもしろい話です。

エミータスケッチ78/ゼフィランサス/「白の闇」

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今日はゼフィランサスの絵と、まるでコロナの世界のような小説「白の闇」の話です。

 

ゼフィランサスは雨後に花を咲かせるので、別名レインリリー。かわいい名前ですね。今、我が家のネコヒタ庭でもかわいく咲いています。

タマスダレとよく似た花だなあ、と思っていたら、どちらもゼフィランサスの仲間だそうです。

白花はタマスダレ、ピンクはサフランモドキです。

 

ジョゼ・サラマーゴ「白の闇」>
私はこの本を2カ月ほど前に新聞の読書欄で見て、図書館で借りて読みました。

新聞には「新型コロナウイルスを彷彿とさせる小説」というようなことが書いてありました。

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本の表紙の見返しにある内容紹介にはこうあります。

「ある男が突然、失明した。

原因不明のまま、伝染病のように感染は広がってゆく。・・・(中略)・・・

秩序が崩壊し、人間の本性がむきだしになってゆく。阿鼻叫喚の世界。

やがて国中が目の見えなくなる病気に侵されて・・・

圧倒的な空想力で描かれる現代の寓話」

 

これから読む人のために、内容は詳しく書きませんが、ある男が失明→助けた男→看護師→医者→薬剤師→近所の人→・・というふうにどんどん感染が広まっていきます。

まるで今現在の新型コロナウイルス感染の世界のようです。

 

ジョゼ・サラマーゴポルトガル出身の作家。

「白の闇」は1995年に刊行され、ポルトガルだけでなく世界中で読まれ、1998年、サラマーゴはノーベル文学賞を受賞しました。

1995年というと、エボラやサーズが大流行する前に書かれたものですね。

訳者のあとがきに「奇抜な着想の物語」とありますが、奇抜どころか、今現実に起こっていることと重なるように思えました。

 

7/18付のエミータスケッチ73で、小松左京の「復活の日」が新型コロナウイルス流行に似ている、と書きました。

この「白の闇」も同様です。

復活の日」より読み易いかもしれません。本好きの方、読んでみられてはいかがでしょうか。