NHK BSプレミアム「大地の子」全11回を観ています。70周年記念番組で1995年放送の再放送です。
山崎豊子の大河小説を日中共同制作でTVドラマ化したものです。
<大まかなストーリー>
敗戦の混乱の中で中国満洲に残されてしまった日本人の幼い兄妹。
中国人の養父母に拾われ、高等教育を受けた兄、陸一心(ルーイーシン)の半生を追います。一方で子ども達を探し続ける日本の実父が関わり、日中共同事業の製鉄所建設までの戦後40年の日中現代史を描いています。
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TVドラマの中には労働改造所(思想改造のための収容所)、文化大革命、日本人への差別、密告、農村の貧しい生活などがリアルに描かれ、よくこんな映像が撮れたものだ、と思える場面が多く出てきました。どうして撮れたのかと不思議でした。
そもそもTVドラマの元になった山崎豊子の小説「大地の子」はどうやって書けたのか?
「大地の子」の本を書棚から引っ張り出して「あとがき」を読んだらわかりました。
あとがき(1991年 山崎豊子による)
「現代中国を背景にした『大地の子』のような作品は、私の生涯で二度と書けない作品である。
なぜなら、秘密主義、閉鎖国家の中国機関、外国人未開放地区の農村、労働改造所などの取材は、日本の一作家には普通は不可能であったから」
「1984年から取材を始めたが取材の壁は高く険しく、やむなく撤退の決意をした時、胡耀邦総書記との会見が実現した。」
「取材の経緯をお話しすると『それが我が国の官僚主義の欠点だ。必ず改めさせるから10年がかりでも書くべきだ。
中国を美しく書かなくても結構、中国の欠点も暗い影も書いてよろしい。
それが真実であるならば、真実の中日友好になる』と励まされ、取材協力の約束をされた。」
「その翌年から(それまで拒否されていた)国家機関の取材、労働教養管理所、労働改造所、その他の取材を許可された。」
「だが1989年、胡耀邦氏の急逝後、取材の門は再び固く閉ざされてしまった。
アメリカの友人は『天安門事件以降、まず20年間は自由主義国家の作家の取材は不可能であろう』と言ったが、私も同感である。」
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小説ができるまでにこんな事があったとは今まで知りませんでした。
TVドラマを観ながら、よくここまで中国が許したものだと思える場面が多々ありました。
習近平の今では1000パーセントありえないでしょう。
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山崎豊子の作品で好きなものは
★ 白い巨塔
(大阪大学医学部がモデル)
★ 華麗なる一族
(神戸銀行がモデル)
★ 沈まぬ太陽
(日本航空がモデル)
★ 不毛地帯
(ロッキード事件、瀬島龍三がモデルと言われているが否とも言われる)
などがあります。どれも映画化されたりTVドラマ化されたりしています。また再放送されたらうれしいです。
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< ヒ マ ワ リ >
❶ 寸法を測ります
実物大に描きます。
❷ 大まかに大きさを描きます
❸ 前の方の目立つ花びらに番号をふります
❹ その花びらを先に描いて
❺ 残りの花びらを描いて
❻ シャープペンでとめて下がきの線を練り消しゴムで消して
❼ スケッチ完成(^^)
❽ 色を付けました