最近読んだ中でおもしろかった本のことを書きます。
★ 「 私の実家が売れません 」
高殿 円
作家の高殿 円さんが超問題だらけの祖父の家を自力で売った実話です。
いやあ、あの「トッカン(特別国税徴収官)」や「上流階級富久丸百貨店外商部」や「シャーリー・ホームズシリーズ」を書いた高殿 円さんがこんなくだけた本を書くなんて。おまけに漫画入りですよ。おもしろい文章で何度もクスッと笑ってしまった。
売れない実家の処分についてはタレントの松本明子さんも書いていますが、この団塊ジュニアの高殿さんのやり方はSNSを駆使したという意味でかなり別物です。
高殿さんの実家処分問題はまず家の中に残る大量のゴミ処分からです。
業者に見てもらったら処分代は80万円❗️そんなにするならこれは自分で処分するしかない、と決心して、高殿さんは
「私のスマホが火をふいた」
と言っています。
まずシゲマツ使い捨て式N95マスク(防塵マスク)を買って身に付け、ジモティ、ガレージセール、メルカリを使いまくります。
スマホで「祖父の家の家具・服・物・全部無料でおわけします」と出すと、問い合わせ殺到、めちゃくちゃ通知があった。個人からだけでなく、古着屋はワゴンで何度も来たし、残置物せどらーという業者は「今すぐ行くので写真に写ってるモノ全部ください」と言ってきたそうです。
この処分の様子はさすが作家、楽しくおもしろく書かれています。
ゴミの処分が終わったら次はボロ家の手売りです。
土地や家に難しい問題が出てきて(再建築不可物件とわかった)、仲介にも見放されてしまいます。万事休すです。最終的にはまたジモティー作戦。そして50万円で売れることになったのです。
実家じまいに悩む方の参考になる本かもしれません。
★ 「80代で見つけた生きる幸せ」
ブロガーのキートンさんがこの本のことを書いていたので、私もさっそく読んでみました。
G3(ジーさん)とB3(バーさん)がsewingという楽しみを見つけて奮闘する姿が書かれています。キャッチフレーズは
「あちこちガタが来てるけど心は元気❗️」
「80代で見つけた生きる幸せ」
カラー写真がどっさりあってよくわかるし楽しいです。G3とB3が好きになってしまいます。
詳しくはキートンさんのブログにも書かれていますが、私も少し書きます。
G3は年金3万円、貯金なし、大病をしてほとんど家で寝たきりの生活を送っていました。そんなG3(当時82才)を娘(50代)が心配して、気晴らしにミシンの修理を頼みました。そのことがきっかけでG3のミシンでの袋作りが始まりました。G3とB3と娘の3人でソーイングチームを作って売り始めました。でもなかなか売れない。
そこへ救世主現る❗️
娘の2人の子ども(つまりG3の孫)にツイッター、インスタグラム、ホームページ、LINEなどをつかうことを勧められ、順調に売れていく(売れすぎて困る)ことになるのです。
G3は生きる喜びを見出し元気になっていきました. バンザーイ❗️
上の2冊の本はSNSを使って道を切り開いていきました。そういうことが苦手な私は感心するばかりです。とても真似できません。
今、原田マハにハマってます。(シャレではありません)
作家の原田マハさんは元キュレーター(美術館 ・博物館などの展覧会の企画・管理をする仕事。学芸員)です。ペンネームはゴヤの「裸のマハ」に由来するそうです。
芸術家を題材にした作品が多いです。その中で読んだものは
★ 「板状に咲く」 棟方志功のアート小説
★ 「リーチ先生」 バーナード・リーチのアート小説
どれも一読の価値があると思いますが、私的には「板状に咲く」がとてもよかった。
★ 「弟 去りし日に」
R・J・エロリー
アメリカの保安官の話。ハードボイルドでもありミステリーでもあり。ちょっと分厚い文庫本で登場人物がたくさんです。根気のいい人向けかな。
★ 「また団地のふたり」
藤野 千夜
TVでヒットした「団地のふたり」の続編で私はまだ読んでないんですが。
★ 週刊文春に「ミステリーベスト10、2024」が載っていました。
毎年当たり外れなく楽しめるので、本選びの悩みが減ります。
皆さんもいかがですか♪♪♪