リンゴ王林の絵と、人生の達人Aさんの話です。95年の人生です。
< 王 林 >
王林(おうりん)は
「ゴールデン・デリシャス」と
「インド」の交配品種です。
生産の76%が青森県です。
カットした時、赤いリンゴ(フジなど)と黄色いリンゴ(王林)を盛り合わせると見た目がきれいなのでよく使います。
味も甘くて香りもありますね。
< 人生の達人 Aさん >
1月の初め、新聞の地方版に
「2021年の抱負」➖丑年生まれの皆さんに新年の目標や希望を聞く➖
という記事がありました。
愛知県内の10組の個人やグループの方たちの写真と説明が載っていました。
その中の1人が私のかつての上司Aさんでした。40年以上前のことです。
写真でAさんがにこやかな笑顔で持つスケッチブックにこうありました。
八回目の干支?
12✖️8=96、ええっ!?
そして説明には「Aさん95才、短歌会の他、市の高齢者向けの体操で講師を務める」とありました。
スケッチブックの短歌も文字もAさんのものですね。そういえばAさんは達筆でした。
Aさんは私が学校を出て初めて就職した職場で、私の直接の上司でした。
挨拶の仕方から仕事の1から10まで、手取り足取り教えていただきました。
世間知らずの娘に接して困惑されることが多かったことでしょう。
「挨拶に伺う時は部屋へ入る前にコートを脱いでね」と言われたことを思い出します。
きっとその前にコート姿で入室したことがあったのでしょう。
仕事でも、思い出すと穴があったら入りたいことばかりです。
新聞でお顔を拝見してどうしても会いたくなって、市役所で聞いたり(らちがあかなかった)ネットで調べたりして、1週間後にやっと会えました。
ご自宅を訪ねると、95才のAさんはたいそう喜んでくださって話が弾みました。当時の職場の皆さんが写っている写真を見ながら「この方は亡くなられて・・この方とは文通していて・・」と。
失礼な言い方ですが、目も耳も記憶もはっきりしています。(メガネも補聴器も無し) そして動きは私と変わりません。とても95才とは思えないお姿にびっくりしてしまいました。
公民館で講師をされている高齢者向けの体操教室は、自彊術1.5時間+おしゃべり だそうです。週に2回も。生徒さんは50人。人気講座で他の市からも参加者があるようです。
「でんぐり返しもするのよ」と、故 森光子さんみたいなことをおっしゃいました。たしかにその動きはなめらかで速くて信じられないほどでした。公民館への出勤は自転車だそうですよ。
1月に本を出したばかりだとの事で、以前の本と合わせて2冊いただきました。
短歌集かと思ったら(短歌集は苦手です)短歌と自伝と写真の本です。95年間が読み易く綴られていて、ついつい全部読み進めてしまいました。
Aさんは退職されてからすぐの61才の時に御主人が急逝。それからの35年間を地域の活動に力を注いでこられました。
特に教育と福祉に。家庭児童相談員、障がい者の短歌教室、市の観光ボランティアガイド、小学校での戦争体験講座・・
キリがありません。35年間です。
本を読むとその熱意とお人柄に感じ入ってしまいます。
Aさんは86才でガンの手術をされています。もし自分だったら80代でガンの手術を受ける元気があるでしょうか?もうその時点で諦めてしまうのでは、と思います。
並外れた健康体と精神力、そして周囲への大きな愛に感動をうけた話と本でした。
私の住む市の隣りの市にAさんのお宅があります。歩いて行ったら片道45分でした。往復1時間半。健康エリートのAさんに1歩でも近づけたでしょうか。
私もAさんを見習って健康に過ごす努力を怠らないようにしたいと思います。そして感謝と愛の気持ちも。
素晴らしい出会いができた1日でした。
長く拙い文章を最後までお読みいただきましてありがとうございました。🙏