次郎柿です。
四角張った形で種がない渋柿の一種です。
❶ スケッチして・・・形がとりにくい
❷ 下塗りして
❸ 重ね塗りして
影を付けて完成
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今度は断面を描きます。
包丁で真横に切って・・・切腹みたい
❶ スケッチして 、、たしかに種がないですね。
❷ 下塗りして
❸ 完成
両方並べてみましょう。
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先程、切腹みたいと書きました。
柿を切ったことから「切腹」へいくのは飛躍が過ぎるかもしれませんが、絵を描いている頃、ちょうど切腹を題材にした本を読んでいました。
切腹というより追い腹を題材にしたものです。
「追い腹」とは
主君の死後、臣下の者がその後を追って切腹すること。殉死。
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「 生きる 」 (乙川優三郎)
2002年 第127回直木賞受賞
乙川優三郎の本は今までに読んだことがなく作風も知りません。題から想像して、生きていくことの素晴らしさを書いた前向きの本だと思ったら・・・
「切腹」それも「追腹」の本でした。
かなり前の直木賞受賞作ですから、あらすじを書いてもいいですよね。
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時は江戸時代。主人公 石田又右衛門の藩主飛騨守の容態が思わしくない。余命いくばくもないとの話である。石田又右衛門は藩主に取り立てられてここまで順調に出世してきた。
そんな時、筆頭家老から石田又右衛門に呼び出しがかかる。
用件は、藩主が亡くなった時、藩内での追腹を止めさせるにはどうすればいいか、という相談だった。
そして家老は最も追腹をしそうな石田又右衛門自身に追腹をしないようにと説得し、その誓紙まで取る。
やがて藩主が亡くなると、追腹禁止令が出ていたにもかかわらず追腹を切る者が後を絶たない。
石田又右衛門は誓紙を書いた手前、切腹することが出来ずにいた。
追腹をするものはやがて身内にも出た。娘の夫が追腹をしたのだ。事前に娘から夫の追腹を思いとどまるよう説得してくれと頼まれていたのに。
日が経つにつれ周囲の又右衛門に対する視線が冷たくなってきた。
最も追腹を切るべき男が何故生きているのか、という蔑みの視線なのだ。陰口を叩かれ門に落書きをされ話しかけられることもなくなる。
それに耐えつつも生きることを覚悟した又右衛門だが、次第に心理的に追いつめられていく。心も身なりも深い鬱のような状態になっていく・・・・。
そして長い長い鬱生活が続いたある日のこと、一条の光がさし、これで新しい生活への道が開けていくのか?というところで話は終わっている。
生きることは苦しいことでもあるのですね。読み進めるだけで苦しくなるような話でした。最後に又右衛門が堰を切ったように泣き崩れるシーンが印象的でした。
もし映画化するなら又右衛門役は誰がいいか?と考えました。
佐藤浩市さん
本木雅弘さん
真田広之さん
上川隆也さん
内野聖陽さん
映画は見たいようでもあり、見るのは苦しくて避けたいようでもあり、です。