今回のブログは読書2題です。
★「ザリガニの鳴くところ」
ディーリア・オーエンズ
( 早川書房)
この本を読んだ後、主人公の女性の強い生き方がとても心に刺さりました。
だからこの本が、全国の書店員が投票で選ぶ本屋大賞の翻訳小説部門1位に選ばれたと聞いて、うれしく思いました。
2018年の刊行以来、世界で1千万部以上が売れ、映画化も決まったそうです。
物語の舞台は米ノースカロライナ州の湿地帯。家族からその土地に置き去りにされた少女カイアが、孤独の中で1人懸命に生きる姿がえがかれています。
カイアの強い生き方に、読んでいて胸が締め付けられるようでした。
自然を扱った話でもあり、恋愛小説でもあり、ミステリーでもあり、法廷ドラマでもあるこの小説、贅沢ですね。
映画化では誰がこの主人公カイアを演じるのか楽しみです。
人間は1つの人生しか生きられません。自分の人生をどんなものにするか、自分は何をしたいのか、NHK番組朝ドラの「モネ」の主人公も自分のやりたい事を探って悩んでいます。
そんなふうに悩む時に、他の人生を覗くことって大切だと思うんです。
よく「私の人生に影響を与えた一冊」とかいう企画がありますよね。
私はもう人生の終わりに近づいていてこれから・・・はありませんが、これからの若い人はたくさんの本を読んで生き方を模索できるといいなあ、と思います。いやいや本だけではなく映画でもTVドラマでもドキュメンタリー番組でも何でも。
そんな意味でもこの本は、これからの人生を考え中の人に力を与えてくれると思います。
著者、動物学者のオーエンズさんは次作を執筆中だそうです。
「『ザリガニ』とは全く違う物語だけれど、大自然から私たち自身について学ぶ、というテーマは共通しています」と語っています。次作が楽しみです。
★ 「ヨレヨレ日記」他4作
朝日新聞(2021.5.29)に次のような記事がありました。
「働く高齢者の日常、軽妙に
➖交通指導員・メーター検針員など
日記シリーズ人気➖」
私も1作目の交通指導員ヨレヨレ日記が大変おもしろくて、読んでからは、道で交通指導員を見かけるとじっと観察する癖がついてしまいました。
メーター検針員テゲテゲ日記の著書の川島徹さんは若い頃からライターを目指していたとのことで、文章はさすがと思わせるものでした。
メーター検針というものがもうすぐなくなるのだ、ということをこの本で知りました。
派遣添乗員ヘトヘト日記は「謝るのが仕事だよ」とあります。この業界は日雇い派遣が多いそうです。業界の実態など知らずにツアーに参加していましたが、添乗員さんの苦労をあらためて知りました。
3作読むとさすがに飽きてきて「マンション・・」と「介護職員・・」は未読です。でも前述した朝日新聞の記事を読んだら、未読の2冊も読んでみる気になりました。
記事によると
このシリーズを刊行した三五シンシャは社長の中野さん(44)1人だけの出版社だそうです。
中野さんの波乱の人生ー就職氷河期に30社以上落ち、ようやく入った小さな出版社に18年勤めたがそこが倒産。2017年にひとりの出版社を立ち上げた。2019年に「交通指導員・・」が持ち込まれた。3つの出版社に断られたと言うが、読んでみるととても面白い。出版したら評判になり2作目以降も書籍化した。
表紙の絵とキャッチコピーが秀逸ですよね。私も初めに読もうと思ったのはその宣伝でした。
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今、読書中の本
詐欺に引っかからないように
ブロガーさんのオススメ本
* * *
< 花の付いたキュウリ >
花付きキュウリはスーパーでは売っていません。畑で育てているからこそ見られるもので、うれしくてスケッチしました。
花の色が白で紙の地色と同じなので目立ちません。
畑では毎日何本か収穫できるので、毎日キュウリを食べています。