sutekidaneの日記

愛知県の草花のスケッチと、虫や鳥など生き物のおもしろい話です。

エミータスケッチ59/カサブランカ/500本のユリ

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花はどんな花もみんな好きですが、一番好きな花はユリです。

エレガントな姿とかぐわしい匂いにうっとりしてしまいます。

 

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このカサブランカの香水(オーデコロンかな)に出会った時は、嬉しくてすぐ購入して長らく使いました。

でもやっぱり香水は香水、本物の匂いがいいですね。

 

近県にあるユリで有名なゆり園へも見に行きました。

“広大な園内に咲き誇る世界150種のゆりの競演”というキャッチフレーズに誘われて。

 

行ってみたら、ゆりが整然と並んで咲いていました。

例えるなら“田植え1か月後の稲が碁盤の目状に並ぶ田んぼ”。そんなイメージ。

花は美しかったのですが、なんだか興醒めしてしまいました。

こんなふうなゆりを見たかったんじゃない、と。(求めるものが違っていただけで、このゆり園は素晴らしいと思います。ごめんなさい。)

 

<500本のヤマユリ

ゆりについていつも思い出す話があります。古い話です。

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『この花をたくさん飾り、部屋を閉め切ってその部屋にいると窒息して死んでしまうと言われているが、私の知人でこの実験をしようとした薬大生がいた。

もし苦しくなったら部屋から出てしまえばよい、というのである。

これは面白いと思って、私も協力し、小田急沿線の低山からひと抱えほどもあるヤマユリを採ってきて提供した。おそらく100本はあったと思う。

ほかにも2人ほど協力者がおり、本人も房総方面でたくさん採ってきたので、全部で500本は下らなかったはずである。

 

ところが、3日目に訪ねてみたら本人はおらず、ヤマユリも10本ぐらいしか残っていない。

その上いつも散らかし放題の部屋はきちんと片付いているので、てっきり逃げ遅れて死んでしまったか、あるいは病院にでも収容されているのかと心配して、母親に会って聞いてみた。

 

貰った翌日花屋を呼びよせ、何がしかで売りとばして、立山から剣岳へ登山に出かけたということが判明した。

 

これにはまったく驚いた。今の若い者は、と年配者はすぐ言いたがるが、私のような専門家を引っかけるとはなかなかどうしてあっぱれな若者と、変なところで感心した。』

  「野に咲く花2」 丸山尚敏

    山渓カラーガイド13

         (昭和43年発行の古い本です)

 

楽しい話でしょ。

私もこんなふうに500本とはいかなくても、たくさんのゆりに囲まれてみたい、と、カサブランカを5本買ったことがあります。

カサブランカは花が大きくて蕾も多くて、それが次々に咲くので5本といってもかなり場所をとります。自分の部屋で花瓶5つにさして幸せな数日を過ごしました。

 

安倍さんにもらった10万円で、また再現してみようかな、と、つい思ってしまいます。