雑草のカヤツリグサと昭和の頃に使われていた蚊帳(カヤ)の思い出話です。
カヤツリグサは、今の時季どこでも見かけるやっかいな雑草です。
特徴は頭でっかちなことと、茎の断面が三角形だということ。
その三角形の茎で蚊帳を作って遊ぶからカヤツリグサ(蚊帳吊草)です。
茎の両端をつまんで真ん中あたりまで裂いて広げると四角形ができ、この形を蚊帳にたとえてついた名前だそうです。
私はその遊びをしたことがありません。
私は先端の大きなところが、線香花火を逆さまにした形に見えるところが好きです。
今の人は蚊帳を知りませんよね。蚊を防ぐための道具です。部屋全体に吊ります。これです。↓
(いそっぷ社)
< 蚊帳の思い出>
子どもの頃、蚊帳の中で寝たのは夏の夜の楽しい思い出として残っています。でも実をいうと蚊帳のことはあまり覚えていません。「蚊帳で遊ぶのが楽しかったなあ。」くらいしか。
私には2つ上の姉がいます。
バレエ🩰を習っていた利発な姉と、いつもハナをたれていた茫洋とした妹でした。
それで姉に蚊帳のことを覚えているか聞いてみました。さすが利発な姉はよくよく覚えていました。
「蚊帳は毎晩使ったよ。蚊帳というのは吊るすのは簡単だけど、たたむのが難しいものなの。
吊るすのは蚊帳の4隅の輪を部屋の4隅に引っ掛けるだけ。
たたむときは4つの輪を持って、中心を真ん中の下へ落とすようにするの。
それが難しくて、女中さん(お手伝いさんのこと。大家族だったので住み込みで女中さんがいました。)が叱られて泣いていたのを覚えてるよ。
子どもにとって、蚊帳は遊びが増えて楽しいものだったけど、大人には面倒だったかもしれないね。
蚊帳から出る時は必ず振り返って、めくった蚊帳のすそをきれいになおしていかないといけないんだけど、忘れてよく注意されてたね。(たぶんそれは妹のことでしょう)
それから蚊帳は緑色の麻でできていて・・・・」
思い出すことがたくさんあるのか、懐かしかったのか、姉の話は延々と続いて終わりません。
利発すぎるのも困ったものだなあ、とぼーっと考えている妹の私です。